目指せ、一人前の妖精!お花の幸せは、わたしが守る!

次の日の朝、学校でユリがいつものようにお花に水やりをしている時のことです。



「ユリちゃんって、毎日お花に水をあげる時うれしそうだよね」



1人のクラスメイトが言い、ユリは元気に答えました。



「うん、本当にうれしいからだよ!」



「どうして?」



「だって、お花は生きてるんだよ。わたし達と同じ。芽が出て、大きくなって、きれいな花が咲く。でも、水をあげなかったら、枯れちゃうでしょ。だから、余計に思わない? 生きてることは当たり前じゃないって」



「そっかぁ……」



「それに、花束をあげる時だってそうでしょう。花束は、喜んでもらうためにあげるもの。でもさ、花束はお花がないと作れないもの。お花をきれいに咲かせるだけで、生きてることは当たり前じゃないと思える、誰かを喜ばせる素となる、それってすごいと思うんだ」



「確かにそうだね! あっ、それにユリちゃんって、お家がお花屋さんだったよね」



「そうか、だからユリちゃんって、お花を見る目が優しいんだね」



クラスメイトの会話を聞くと、ユリはとてもほこらしくなり、お花を大事にしてくれることは、まるで自分を大切にしてもらえているような気分でした。




ユリのなぞなぞ
数字が隠れている服は、なーんだ?
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