溺愛の業火

え?覚悟って何それ、美味しいの?うふふ。
夢なら覚めて欲しい。

そう、私を現実へと突き落して。


「篠崎さん、昨日の清水くんの足を引っ張ったのはあなたよね。」

これが現実。
私が彼に相応しくないのだと、もっと突き付けて欲しい。

「そうよ。どうすればいい?」

どうにもならない。
想いは膨らんで、彼の気持ちに流されても良いと思っているのだから。

彼女の怒りを買って、外鍵のかかった小さな準備室に閉じ込められてしまった。
わざわざ準備していたのかな。

両手は体の前、縄で縛られているけれど身動きは取れる。
そして放置。

計画性があるから、誰かが見回りとか来るのかな。
生徒会の子だし、大騒ぎにはならないような時間で解放してくれると信じよう。

床に座って壁にもたれ、今までの事を振り返る。
どうすれば良かったのかな。

告白された時、清水くんと付き合う事など頭には全くなかった。
だけど嬉しかったのも少なからず。

冷静にしたのは私が相応しくないという劣等感。
憧れの意識もなかった気がする。だけど、好意は確かに存在した。

付き合うことを考えないわけじゃない。
不安と恐れが、自分の想像する未来の大半を占めていた。
味わったことのない幸せよりも現実的。

それなのに、私は流されている……




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