溺愛の業火

私が見ていた場所に彼女が気付き、思わず息を呑んだ。

「あれ、虫に刺されたのかな。こんなところが赤くなってる。」

呆気ない言葉に、目が点。
は?虫?こんな時期はずれに、虫って言ったよね、今。

本当に?
本人に自覚がないなら、そうなのかな。

だけど、これは……どう見ても…………
あの虫しか、思いつかないんですけど。


放課後、名前を伏せてから松沢くんに探りを入れてみる。

「くすっ……鈍感なのが可愛くて、癖になる。」

松沢くんも純粋?
思わず相手に『逃げてぇ~~』と叫びたくなった。

「俺の恋路を邪魔すれば、清水にあることないこと言っちゃうぞ♪」

黒い笑顔が怖いですね。
松沢くんは、相手を守れないというより、自分が抑えられないだけかもしれないな。




end
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