溺愛の業火
「篠崎が苦労するのは分かっていたけど。ここまで清水が……いや今は。少女漫画でも買って勉強させた方が早いのか。」
女の子の読む漫画とか知らないけど。
何故、松沢は内容を知っているのかな。
本命の趣味なのか?それが恋愛の教科書とでも言うのかな。
「清水はさ、篠崎をどうしたいわけ?」
どうしたいか。そんなの決まっている。
「誰にもやらない。触れたい。大事にしたい。一緒に居て幸せなんだ。」
正直な気持ちなんて、言い尽くせない。
「それ、篠崎にちゃんと言ってる?言葉で伝えないと、すれ違うけど。」
言っていない。
伝わっているとか、考えた事も無かった。
何て自分勝手なんだろうか。そうだ、それこそ和叶の気持ちなんて。
「ありがとう、松沢。お前も、本命には純粋なんだな。」
「だから俺の事はどうでもいいんだよ。篠崎といい、俺の本命に。あ。」
今、何て言ったんだ。
彼女は、松沢の本命を知っているのか?
「ちょ、待て。清水、殺気を出すな!俺は何も相談していない。お前の彼女の観察力が、優れているだけだ。」
俺も気づかない松沢の本命。
何にイラついているんだ、俺は。
「はぁ。和叶は、俺に何を望んでいるのかな。」