溺愛の業火

「強引に行けとは言えないけど。俺は相手からのキスで満足しないかな、家に親がいないなら。」

キス以上。
家に両親はいない。和叶の部屋に二人きり。
体温が一気に上昇する。

「お、何を考えたのかな。生徒会長殿、教えて欲しいなぁ。」

「うるさい、黙れ。」

キス以上って、『あんな事』の続きとか。

彼女は。
嘘だろ。暴走するなと言う方が、無理がある。

「手に入れる為に強引で、手に入れてしまえば過保護とか。本当に、お子ちゃまだね。」

「本当だ。だけど。松沢の言いたい事が正しいとは思いたくない。……最悪だ、頭の中がグチャグチャになる。」

松沢は満足そうに、俺に視線を向けて笑みを見せる。

大事にしたい。手に入れたからこそ。
自己満足な庇護欲に、相手の気持ちも考えず……




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