素顔は秘密ーわたしだけのメガネくんー
最終章

ー"秘密"のメガネくんー

それから数日後

クラスのざわめきも、もうすっかり落ち着いていた

誰ももうふたりの関係を探る者はいない

それどころか
「理想のカップル」なんて噂されるようになっていた

七海は少し照れくさそうに
でも、穏やかに日々を過ごしていた

葵も
クラスでは相変わらず”僕”のままで

でも放課後になると
変わらず”俺”になって七海を甘く支配していた

***

その日の帰り道

ふたりは並んで静かに歩いていた

春の夕方
暖かい風が制服を軽く揺らす

「……ねえ葵くん」

「ん?」

「…なんか、こうして堂々と一緒に歩けるの、やっぱ嬉しい」

七海がぽつりと呟くと

葵は小さく笑って

「…だな…最初は隠してたからな」

わざとらしく溜息をつく

「はぁあ…隠さなくていいって最高だわ」

そう言いながら
ゆっくり七海の手を引いて、歩道の脇に寄せる

「……むしろ」

低く甘く声が落ちる

「お前が、俺の女って見せつけんの、悪くねぇ」

七海は照れながらも
胸がじんわり熱くなるのを感じていた

「……私も、そう思う」

葵はニッと少し意地悪に笑う

「だからさ」

そう言って七海の髪をそっと撫でて

「これからもずっと、俺だけ見てろ」

七海は顔を赤くしながらも
静かに、でもはっきりと答えた

「……うん。ずっと」

ふたりの手は自然と指を絡めたまま

そのまま春の柔らかな風の中を
ゆっくりと歩いていった

七海はふと顔を上げて、隣の葵を見上げた

「……でもさ」

「ん?」

「これからも…学校ではメガネ外さないでよね?」

葵は少し目を細めて微笑む

「なんで?」

「だって…みんなに素顔見せたくないもん」

少し照れながら、でも真剣に言う七海に
葵はククッと低く笑った

「……ほんと独占欲強いよな、お前も」

「だ、だって…メガネくんの素顔は私だけのだから」

その言葉に
葵はふっと七海の手を引き寄せて、額に優しくキスを落とした

「……ああ、分かってる」

低く甘い声で囁く

「これからもお前だけに見せるよ。ずっとな」

七海の心臓はまた
ドキドキと甘く跳ね上がっていた

こうして
“秘密のメガネくん”は
七海だけのものとして
これからも甘く溺れるような日々を続けていくのだった

***

【完】


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