クズ彼氏の甘く危険な呪縛

「……思い出したわ」


『お前、あのブスとまだ付き合ってんの?そんなに具合がいいなら、貸してくれよ』


殴り返して、鼻血を拭いながら、ゆっくり顔を上げた。


「お前……昔もヨリのこと口出してボコられたんじゃねーかよ」


目の奥が、すぅ、と冷えていく。
笑ってた。自分でも気づかないうちに。


「もう一回やられねぇと、学べねぇのか」


そこからは、ほとんど記憶がない。
ただ殴った。殴って、殴って、殴って。

殴り返されても、引かなかった。
地面に転がされても、何度も立ち上がった。
誰の声も、叫びも、聞こえなかった。

気づけば周りは誰も立っていなくて、血と土の匂いしかしなかった。

顔も拳も、全身が焼けるように熱い。呼吸をするだけで痛む。

それでも、最高に楽しかった。
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