ある日記

どこかぼろぼろの薄汚れた日記。タイトルも何もありませんから、何の日記なのか分かりません。そもそも、これが日記なのかすらも分かりません。ですが、唯一分かることといえば、この日記は前に住んでいた住人さんのものだということだけです。
管理人さんに言って、前の住人さんへ届けに行くのが本来やるべき事なのでしょう。押し入れの中に落ちていた。おそらく前の住人さんの忘れ物だと思うのですが、今どちらへいらっしゃいますか。とそう聞いて。ですが、私はこの日記が気になって仕方ありませんでした。身近に日記をつける人がいなかったからというのもありました。ですが、どんな人がどんなことをこの日記に書いていたのかが気になりました。
私は一度、整理をしていた手を止めて、日記を見ることにしました。