花盗人は風流のうち
再会は突然に
コンコンと、病室のドアを叩く。
「はーい」
穏やかな返事に、今日も調子は悪くなさそうだと安堵し、ドアを開ける。
「学校、どうだった?」
キーボードを叩いていた手を止め、ベットに座るジュリにそう問われる。
相変わらず、綺麗な顔をしている。
「ん〜、まだよく分からない。校舎は大きくて綺麗だったよ」
ジュリと過ごす時間が増えるにつれ、涼香はいつしかジュリに敬語を使わなくなっていた。
「ふふ、そっか。まだ入学式だからね。
確か、今期の生徒会は若宮と桜井だから、いずれ涼香は関わることになるかも」
来年はアスカが会長だろうけど、と続けるジュリに質問する。
「若宮に桜井って、生徒会長と副会長?ジュリはなんで知ってるの?」
「あぁ、アスカから聞いてるのもあるけど、生徒会長って、毎年首席入学の生徒のことは次期会長候補としていろいろ調べるんだよ。
俺が会長だった時、若宮と桜井は首席と次席で入学してきた一年生だったんだ。」
「えっ、じゃあ、私も調べられてるってこと?」
「んー、基本的に調べる必要があるのは1つ下の学年までだから、アスカのことは調べただろうね。
涼香を調べるかは分からないけど、あの子たちは、なんとなく調べる気がするなぁ」
俺もそうしたわけだしね、とにこやかに笑うジュリが、何故だか少し怖い。
「ふふ、そんなに気張らなくて大丈夫だよ。
お酒やタバコとか、他にも学校の風紀を乱すような悪いことしてないかチェックするだけだから。」
「風紀を乱すような悪いこと?」
「うん、遊び歩いてたりとか…男女関係にだらしなくないかとか、ね。」
なるほど確かに、と涼香はアスカを思い浮かべる。
アスカはあれでいて、意外にも女遊びをしないのだ。
なぜだか中学あたりで涼香以外の女性に対してはだいぶ丸くなったので、アスカに恋する女の子は多かったように思う。
だからもちろん経験はあるだろうが、取っ替え引っ替えしたりしている様子がないのは、そういう理由があるからかもしれない。
「はーい」
穏やかな返事に、今日も調子は悪くなさそうだと安堵し、ドアを開ける。
「学校、どうだった?」
キーボードを叩いていた手を止め、ベットに座るジュリにそう問われる。
相変わらず、綺麗な顔をしている。
「ん〜、まだよく分からない。校舎は大きくて綺麗だったよ」
ジュリと過ごす時間が増えるにつれ、涼香はいつしかジュリに敬語を使わなくなっていた。
「ふふ、そっか。まだ入学式だからね。
確か、今期の生徒会は若宮と桜井だから、いずれ涼香は関わることになるかも」
来年はアスカが会長だろうけど、と続けるジュリに質問する。
「若宮に桜井って、生徒会長と副会長?ジュリはなんで知ってるの?」
「あぁ、アスカから聞いてるのもあるけど、生徒会長って、毎年首席入学の生徒のことは次期会長候補としていろいろ調べるんだよ。
俺が会長だった時、若宮と桜井は首席と次席で入学してきた一年生だったんだ。」
「えっ、じゃあ、私も調べられてるってこと?」
「んー、基本的に調べる必要があるのは1つ下の学年までだから、アスカのことは調べただろうね。
涼香を調べるかは分からないけど、あの子たちは、なんとなく調べる気がするなぁ」
俺もそうしたわけだしね、とにこやかに笑うジュリが、何故だか少し怖い。
「ふふ、そんなに気張らなくて大丈夫だよ。
お酒やタバコとか、他にも学校の風紀を乱すような悪いことしてないかチェックするだけだから。」
「風紀を乱すような悪いこと?」
「うん、遊び歩いてたりとか…男女関係にだらしなくないかとか、ね。」
なるほど確かに、と涼香はアスカを思い浮かべる。
アスカはあれでいて、意外にも女遊びをしないのだ。
なぜだか中学あたりで涼香以外の女性に対してはだいぶ丸くなったので、アスカに恋する女の子は多かったように思う。
だからもちろん経験はあるだろうが、取っ替え引っ替えしたりしている様子がないのは、そういう理由があるからかもしれない。