幼馴染×存在証明
悪魔との共生
花咲涼香(はなさき りょうか)、16歳。
この春、名門・帝峰高校に入学。
両親は五つの頃に他界。葬式に参列していたある裕福な家に引き取られ、早10年。
その家は、親戚でもなければ、両親とはそれほど深い関係の間柄ではなかったそうだが、肉親を失った悲しみに暮れる中、気付けば邸宅に迎え入れられていた。
後に聞くに、そこは日本屈指の財閥一家で、天涯孤独の身としてはなんとも恵まれた機会だったとか。
とはいえ、世の中、美味しいだけの話があるわけではなく。
引き取られて間も無く、私はその家の御曹司である、アスカという少年の相手をすることになった。
銀髪とも言えるプラチナブロンドの髪は、母方にロシアの系譜があるとかないとかーー、とにかく、日本人離れしていて。
髪と同じ色の長いまつ毛がびっしり生え揃った瞼には、青い宝石のような瞳が収まっていた。
人形のような顔をしたその少年のことは、先に男だと聞いていなければ性別を間違えていただろう。
”あまり喋らず、おとなしい男の子”
使用人にそう紹介され、果たした初対面は、お互い挨拶もなく無言だった。
この春、名門・帝峰高校に入学。
両親は五つの頃に他界。葬式に参列していたある裕福な家に引き取られ、早10年。
その家は、親戚でもなければ、両親とはそれほど深い関係の間柄ではなかったそうだが、肉親を失った悲しみに暮れる中、気付けば邸宅に迎え入れられていた。
後に聞くに、そこは日本屈指の財閥一家で、天涯孤独の身としてはなんとも恵まれた機会だったとか。
とはいえ、世の中、美味しいだけの話があるわけではなく。
引き取られて間も無く、私はその家の御曹司である、アスカという少年の相手をすることになった。
銀髪とも言えるプラチナブロンドの髪は、母方にロシアの系譜があるとかないとかーー、とにかく、日本人離れしていて。
髪と同じ色の長いまつ毛がびっしり生え揃った瞼には、青い宝石のような瞳が収まっていた。
人形のような顔をしたその少年のことは、先に男だと聞いていなければ性別を間違えていただろう。
”あまり喋らず、おとなしい男の子”
使用人にそう紹介され、果たした初対面は、お互い挨拶もなく無言だった。