痛くしないで!~先生と始める甘い治療は胸がドキドキしかしません!~
「ご馳走になります。では、いただきまーす」
四×四センチほどの少し大ぶりのチョコレート。一口で食べるには大きいし勿体ない、そう思った百合は半分にかじろうと奥歯で噛んだ。
それが運の尽きだった。
――ガリッ!!
「!」
とても嫌な音がした。
脳内に響くような激しい炸裂音……なにかが口の中で起きたのはわかった。でもそれは果たしてなにか……その答えに辿り着く前に感じるのは痛みである。無視できないような痛みが襲ってきて百合の顔が一気に青ざめた。
「ひ……ひたぁい……」
「なんか今、百合ちゃんの口の中で変な音しなかった? 百合ちゃん? 大丈夫?」
心配する冴子の声が遠くに聞こる。百合は口元を手で覆いながら口の中の違和感を探りつつ舌を動かした。
異物はある、先ほど噛んだチョコレートだ。けれどそれは次第に形をなくしていく。なのにまだ舌の上になにか異物が残っているのだ。
(な、なに? なんかいる……口の中になにかいるぅ!)
溶けて液体と化したチョコレートと唾液を飲みきり、口の中に残るものをティッシュの上に吐き出したらそれは現れた。
「うそぉ」
ティッシュの上にはいつつけたかわからない銀歯が落ちていた。
そして百合の奥歯は痛み止めを無視するほど痛みを伴いだしたのである。
四×四センチほどの少し大ぶりのチョコレート。一口で食べるには大きいし勿体ない、そう思った百合は半分にかじろうと奥歯で噛んだ。
それが運の尽きだった。
――ガリッ!!
「!」
とても嫌な音がした。
脳内に響くような激しい炸裂音……なにかが口の中で起きたのはわかった。でもそれは果たしてなにか……その答えに辿り着く前に感じるのは痛みである。無視できないような痛みが襲ってきて百合の顔が一気に青ざめた。
「ひ……ひたぁい……」
「なんか今、百合ちゃんの口の中で変な音しなかった? 百合ちゃん? 大丈夫?」
心配する冴子の声が遠くに聞こる。百合は口元を手で覆いながら口の中の違和感を探りつつ舌を動かした。
異物はある、先ほど噛んだチョコレートだ。けれどそれは次第に形をなくしていく。なのにまだ舌の上になにか異物が残っているのだ。
(な、なに? なんかいる……口の中になにかいるぅ!)
溶けて液体と化したチョコレートと唾液を飲みきり、口の中に残るものをティッシュの上に吐き出したらそれは現れた。
「うそぉ」
ティッシュの上にはいつつけたかわからない銀歯が落ちていた。
そして百合の奥歯は痛み止めを無視するほど痛みを伴いだしたのである。