過つは彼の性、許すは我の心 弐
 

 ドーベルマンがチワワに宥められるシュールな姿を見ていれば、チワワが『どんな性癖をお持ちでもクライアントの意向に従わせてもらう』と言いながら前に出て来る。

 え、不味く無いと1人オロオロしていれば、


『しゃあないなあ、おい』

『はあ…じゃあ行きますか』


 渚君から声を掛けられた目元しか見えないーーーT H E忍者服の惣倉君は、それはもう自然と筒状の物を床にばら撒く。


『先輩口を覆って下さい』


 言われた通りパッと口を覆う。

 その瞬間シュウー!と言う音が鳴り、筒状の物から空気が吹き出す。

 これは、


『何だこれは!』

『クソ!煙幕だ!』
 

 あの筒状の物は煙幕出す物だったらしい。

 白いモヤモヤが辺りを覆い、周囲が騒がしくなる。


『ひゃ』

『先輩ごめんなさいちょっと抱えます。海祇先輩』

『後でな!』

『またね』

『え!』


 3人とも見えているのかって感じだけれど、私は恐らく惣倉君に俵担ぎされて何処かへと移動し始めた。


『あっちに逃げたぞ!』

『こっちだ!』

『二手に分かれやがった!』


 犬集団の話しだとそうらしい。

 丁度さっき見ていた廊下の先は、2つに別れた構成だったの思い出す。

 多分だけれど渚君と夏波ちゃん組、私と惣倉君、鉄将君組って所だろう。

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