過つは彼の性、許すは我の心 弐
ハテナマーク降臨中の私に対して、獅帥君は柳眉を寄せ、緑の虹彩を持つ薄茶の瞳は自分不満です!とありありとさせた。
「綴が人に近付くのが嫌だ」
「何で?」
「…何か嫌だ」
「何かかー…」
きゅっと更に引き寄せられ、私の首元に獅帥君が顔を埋める。
生暖かい吐息と、甘い匂い、見えないけれど神の如く神秘的な美貌が平凡顔の近くにある。
その事実に、
「っ…」
胸が普通にドキドキする。
落ち着け私!
こう言う時は頭の中で自分を律する言葉を。
「成長途中、成長途中、成長途中…」
「…どうした?」
くっ…!しかも良い声だ!
惑わされるな自分!とカッと目を見開く。
成長途中…獅帥君は成長途中なんだ私にこうしているのは特別な事じゃない…!
頭の中で念じると、徐々に落ち着く。
「ふうー…」
後は別の事を考えよう。
獅帥君の奇行はアレかな、子供特有の初めて出来た友達を独占したくなる様な気持ちだろうと推測。
よしドキドキが治って来た!よく頑張った自分!
脳内で勝利の雄叫びを上げれば、
「ガキが、つづちゃん困ってるやろ」
耐え切った私と言うより、私を抱える獅帥君を呆れた表情で渚君が見ていた。
「子供じゃない」
拗ねた様な声が聞こえるし。
「こんな獅帥初めて…」
木野島君は思わずって感じで呟くし、火ノ宮君も目を丸くしている。