過つは彼の性、許すは我の心 弐
すいっと獅帥君の視線が窓辺の方に向いて私もそちらを向くと、わお…窓が割れていた。
鍵開けの為に開けたんだろうな…怪我してないかな大丈夫かな。
「怪我はしていない」
もう心の声を獅帥君が読んでいても不思議に思えず「本当?」と聞き返していた。
「さっき見た時は怪我はしていなかった」
「そうなんだ…良かった」
心の底から安心していれば「後惣倉喜影は暫く来ない」と言われてハッとする。
「妃帥ちゃんは!」
「妃帥の事も惣倉の事も心配するな。アイツらは長い歴史で俺らを殺そうとして殺せなかった奴らだ。見す見すそんな事許す訳ない」
「でも…!」
「綴」
グッと身体をまたベットへと深く戻らされたと思ったら、私に体重を掛けない様に乗っかられた。
「獅帥君…」
瞳の虹彩が緑に見える時、獅帥君の持ち得る神秘性がより増して、口を噤まざる得なかった。
獅帥君が私に近付いて耳元で囁く。
「俺は怒っている」
「お、こっている?」
私に?と嫌な方に心臓がドキドキと鳴る。
「綴の事じゃない」
じゃあ何に…と思ったのだけれど、獅帥君が掛け布団ごと私を抱き締める。
「獅帥君?」
「…」
私の首元に顔を埋めて痛くならない程度にギュッと抱き締めるその雰囲気は、怒りと言うより悲しい?
「寝ろ」
「う、うん…」