過つは彼の性、許すは我の心 弐
妃帥ちゃんの赭色に塗れた…。
服に付いた血液をジッと眺めて、手術室に消えた妃帥ちゃんに思いを馳せる。
そう言えば妃帥ちゃんも何か言いたげだった様な…。
「綴ちゃん」
考え込む私を現実に戻す為にギュっと血の付いた手を握る埜々ちゃん。
慌てて「汚れちゃうよ埜々ちゃん」と言うが、
「じゃあこれ以上汚さない為にも、綺麗にしましょうね」
ニッコリと微笑んで、そのまま私の手を引っ張り始める。
「頼んだぞ、埜々」
「はい」
鉄将君は埜々ちゃんにそう言って、足早にその場を去る。
いや待って、私まで去るのは、
「獅帥も着替える為に一度帰ったわ。綴も一度身綺麗にしてから、戻って来なさい。それまで私達がいるから」
「獅帥君帰ったんだ…」
清維はええと頷く。
今が何時か知らないけれど、トイレにでも行ったのかと思っていた。
だっていつもの獅帥君なら、格好が汚れていようが妃帥ちゃんが手術室から出るまでビタ一文動かないだろう。
その獅帥君が帰ったなんて、何だか信じられない。
「そうそう。どうせいても、家族じゃないんだし話なんて聞けないんだから」
「マサ」
清維が火ノ宮君を小突くのを見ながら、アレそう言えば木野島君と火渡君はと思い出す。
「2人はどうしたの?」
私の言葉に、不思議とビシリと固まる空気。