結婚式の日に裏切られた花嫁は、新しい恋に戸惑いを隠せない


もうひとつ不思議なのは、海里には祖父母もしくは、祖父母らしき人がたくさんいるということだ。

海里たち家族が暮らしている家は二世帯住宅で、母方の祖父母と一緒に住んでいる。
そのほかにも父の実家に祖父母がいるし、ここ琵琶湖のレイクサイドガーデンにもじいちゃんとばあちゃんがいる。
血がつながっていなくても、坂上のじいちゃんとばあちゃんは、海里には大切な人たちだ。

「海里、そろそろお父さんたちが着くころだよ」

一階から、坂上のばあちゃんに呼ばれた。

「わかった」

二階の部屋でベッドメイクをしていたが、そろそろ家族が着く時間のようだ。

今日は父と母、それから双子の弟と妹がレイクサイドガーデンにやってくる。
海里は釣りがしたくて、家族より一足先に来ていたのだ。
まだ小学一年生の弟と妹はかわいいけどうるさい。かわいいけど、うっとしい。かわいいけど、時々泣き虫だ。

「海里の釣ってきた魚も料理しとくね~」

また下から大きな声が聞こえた。

「ありがと、ばあちゃん」

海里も大声で答えておいた。

もうひとり、今日は特別なお客さんがやってくる。
その人も、海里のおばあちゃんだというから驚きだ。

父と母がハネムーンでアメリカに行った時に探しだしたという、父の産みの母親だ。
つまり、この人も海里のおばあちゃんなのだ。

家族のためのベッドメイクが終わったとき、ペンションの駐車場に大型タクシーが入ってきた。
後部座席のスライドドアが開いて、弟と妹が飛び出してくるのが見える。

「おにいちゃ~ん」
「海里~」

弟は憎たらしいことに、最近は呼び捨てにしてくる。げんこつで迎えてやろうか。

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