結婚式の日に裏切られた花嫁は、新しい恋に戸惑いを隠せない


湊斗が調べ始めたら、早々に行き詰った。
どうやら父は、親に内緒で結婚したという事実が外に漏れるのを恐れたのか、かなり情報を抑え込んだらしい。

湊斗にも仕事があるから、妹のことばかりに時間を割くことはできない。
結局、知り合いの弁護士に調査を依頼することにした。

一番驚いたのは、梨乃の相手の守屋徹のことだった。

義母からは医療関係の経営コンサルタント会社に勤務していて、優秀だと聞いていた。
確かに生家は守屋総合病院、学歴にも問題はない。高身長でいわゆるイケメンとあって、女性に好まれそうな青年だ。

ただし、女性関係は華やかだった。
取引先の病院に勤めている医療関係者や、学生時代の恋人、おまけに社内の女性まで幅広く付き合っていたようだ。
同じ男性として、湊斗が嫌悪感を抱くくらいに。

裕福な生まれだけあって金銭的に不自由していないのか、スキーやヨットなどもたしなんでいる。
言葉巧みに誘われたら、女性たちは喜んで恋人になっただろう。

外見に騙された女性は数多くいたらしく、彼女たちから話を聞いてもらった弁護士は言葉を濁していた。
「遊ばれた」「捨てられた」と次々に言われたら、返事にも困ったようだ。

梨乃とはどこで知り合ったのか、接点はわからない。
ただ守屋徹は梨乃が「早瀬電子の令嬢」だと知っていたはずだ。だから義母の言う「あの女」と、二股をかけていたのだろうか。




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