隠れ美少女とクール系男子
 するとわたしの視線に気づいたのか兄ちゃんが顔を上げ、満面の笑みで手を振りみんなの元へ戻っていった。



「──さん。──いさん。愛笑さん!」

「あ、はい。何ですか?」



 呼ばれている気がして前に視線を戻すと目の前に先生が立っていた。

 職員室で森川先生を呼んでくれた女性の先生だ。数学の教科担当の人だったようだ。



「授業中によそ見をしないでね、猫塚さん。黒板にかいてある問題を解いてくれる?」

「わかりました」



 先生からチョークを受け取ると計算するために問題を見るが──。



「先生これ、中学校で習わない単元じゃないですか?」

「ふふ。不可能と言われた転入試験に合格したあなたならできると思うわ」

「何を根拠に……」



 そういいながらもわたしは右手にチョークを持ち答えを出すために考える。

 ……後ろがうるさいが。



「さすがに、勉強命ですって感じの地味女でも無理じゃない?」

「答えを間違って恥をかけばいいのよ」
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