黒兎の相棒は総長でも止められない
兄の探り
夕方、兄と待ち合わせした駅前のカフェ。
久しぶりに二人で会うのは、何気なく誘われたはずなのに――
内心ずっと落ち着かなかった。
(…別にやましいことしてないわけじゃないけど…でも…)
席に着くと、兄はいつも通りの無表情でアイスコーヒーを飲んでいた。
「おう。七星」
「…ごめん待たせた?」
「いや。大丈夫だけど…
あれからなんかあった?」
「べ、別に。普通だよ?」
「ふーん」
短く返事をしながらも、兄の視線が妙にじっとしてるのがわかった。
(……やば…なんか見透かされてる感じ…)
兄はわざと何も突っ込まず、アイスコーヒーを口に運ぶ。
「――あのさ」
「ん…?」
「凪のことなんだけど」
ドクン、と心臓が跳ねる
「……へ?…な、凪くんがなに?」
(やばいやばいやばい…!!)
「何焦ってんだよ」
兄はわざと軽い口調を装いながらも、目の奥はじっと私を見ていた。
「もしかして凪と……なんか、あるのか?」
「な、なにもないってば!」
食い気味に否定した自分の声が裏目に出た気がして、すぐに視線を逸らす。
「そっか?」
兄の口元がわずかに緩む。
「……ま、別にいいけどな」
「……え?」
「変に隠して変な男連れて来られるよりは、まだ凪の方がマシだわ」
「~~っ」
思わず言葉を詰まらせる。
兄はそのまま氷をカランと鳴らして飲み干した。
「ま、俺は何も見てねぇってことにしといてやるよ」
その言葉に
逆に心臓のドキドキが加速して止まらなくなった――
久しぶりに二人で会うのは、何気なく誘われたはずなのに――
内心ずっと落ち着かなかった。
(…別にやましいことしてないわけじゃないけど…でも…)
席に着くと、兄はいつも通りの無表情でアイスコーヒーを飲んでいた。
「おう。七星」
「…ごめん待たせた?」
「いや。大丈夫だけど…
あれからなんかあった?」
「べ、別に。普通だよ?」
「ふーん」
短く返事をしながらも、兄の視線が妙にじっとしてるのがわかった。
(……やば…なんか見透かされてる感じ…)
兄はわざと何も突っ込まず、アイスコーヒーを口に運ぶ。
「――あのさ」
「ん…?」
「凪のことなんだけど」
ドクン、と心臓が跳ねる
「……へ?…な、凪くんがなに?」
(やばいやばいやばい…!!)
「何焦ってんだよ」
兄はわざと軽い口調を装いながらも、目の奥はじっと私を見ていた。
「もしかして凪と……なんか、あるのか?」
「な、なにもないってば!」
食い気味に否定した自分の声が裏目に出た気がして、すぐに視線を逸らす。
「そっか?」
兄の口元がわずかに緩む。
「……ま、別にいいけどな」
「……え?」
「変に隠して変な男連れて来られるよりは、まだ凪の方がマシだわ」
「~~っ」
思わず言葉を詰まらせる。
兄はそのまま氷をカランと鳴らして飲み干した。
「ま、俺は何も見てねぇってことにしといてやるよ」
その言葉に
逆に心臓のドキドキが加速して止まらなくなった――