婚約者が妹と結婚したいと言ってきたので、私は身を引こうと決めました
体が熱くて重い。痛みよりも、目の前が揺れる。まるで悪い夢の中にいるようだった。

――ビシッ。

何かが空気を裂く音。次の瞬間、眩しい光とともに声が飛び込んできた。

「何をしているんだ!」

クリフの怒鳴り声。視界がぼやける中、彼が私のそばに駆け寄ってくるのが見えた。

ふいに身体が宙に浮いたような感覚になり、気づけば私はベッドの上にそっと寝かされていた。


「クリフ!」

セシリーの鋭い声。

「私のいない間に、何をしてるんだ!」怒りに満ちた声が響く。

「あなたが、女を囲ってるって聞いたからよ!確かめに来たの!」

「だからって、手を上げるなんて……!相手は君の姉だぞ、セシリー!」

「姉でも何でも、国王を惑わせた女に変わりないわ!」

口論する二人の声が、遠ざかったり近づいたりしながら、私の意識を揺らした。

――誰か、止めて。お願い、もうやめて。

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