年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない
仕事を終え、夜遅くに帰宅すると、部屋にはまだ片づけきれていない荷物が残っていて、見なかったことにしたい気分になる。しかし、そんなわけにもいかず、疲れた体に鞭打ちながら、深夜までかかって終えた。
そして迎えた引っ越し当日。
できるだけひっそりと家を出たくて、父も沙羅も仕事で不在のこの時間を選んだ。家には母と私だけ。
荷物はすでに業者に任せていた私はほとんどのものがなくなった部屋を見回した。使い古したカーテンと、壁に残る小さな画鋲の跡だけが残っている。
「望海、終わったの?」
不意に背後から母の声がして、私は驚いて振り返る。
「うん。お父さんと沙羅によろしく伝えて」
どうせ二人とも私のことなど気にしていないとは思うが、母に伝える言葉が思いつかず、私はそう口にした。
「わかったわ」
入り口で立っている母に視線を向けることなく、クローゼットの近くに向かう。
そして迎えた引っ越し当日。
できるだけひっそりと家を出たくて、父も沙羅も仕事で不在のこの時間を選んだ。家には母と私だけ。
荷物はすでに業者に任せていた私はほとんどのものがなくなった部屋を見回した。使い古したカーテンと、壁に残る小さな画鋲の跡だけが残っている。
「望海、終わったの?」
不意に背後から母の声がして、私は驚いて振り返る。
「うん。お父さんと沙羅によろしく伝えて」
どうせ二人とも私のことなど気にしていないとは思うが、母に伝える言葉が思いつかず、私はそう口にした。
「わかったわ」
入り口で立っている母に視線を向けることなく、クローゼットの近くに向かう。