年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない


都内へ出かけるときは、駐車場の問題や適度な運動も考えて、電車や徒歩を選ぶことが多い。
てっきり奏多君ほどの人なら、タクシーや運転手付きの車で移動するのが当たり前なのかと思っていた。

そう尋ねると、彼はクスッと笑い 「俺のイメージってなんだよ?」 と、少しおどけたように言った。
けれど、彼の仕事を考えれば、それも納得できる。

パイロットという職業は、体力も知力も、そしてメンタルの強さも求められる。
定期的なテストや厳しい検査をクリアしなければならず、決して楽な世界ではない。

こうした日々の何気ない選択も、彼にとっては自己管理の一環なのだろう。
家柄や才能だけで務まるほど、甘い仕事ではないことを、私は近くで見てきたからこそよく知っている。

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