年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない
「楽しんで」
そう送ったメッセージの文字が、静かに表示されていた。
彼女に連絡をする口実として送り続けている風景の写真――何度撮り直しているかわからない。
そんな俺を見て、スタッフたちがいろいろ噂をしているのだって知っている。
それでも、望海のことを考えると、彼女のことを軽々しく話すつもりにはなれない。
……けれど、今すぐにでも、「彼女は俺の妻だ」と言いたい。そんな思いがせめぎあう。
「会いたい」
スマホに指を滑らせた俺だったが、それをすぐに消す。
「送れないよな……」
そう呟いた後、俺はベッドから出るとシャワーを浴びに向かい、一気に冷たい水を頭の上からかぶった。
このまま引き下がるつもりはない。どんなことをしても、彼女の気持ちを俺に向けてみせる。
もう、遠慮はしない。そう心に決めた。