年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない
「木曜日、何時に上がれる?」
突然の問いに、なんのことだろうと思いながら、私もスマホでシフトを確認する。早番だから、それなりに早く終わりそうだ。

「早番だから、早いかな」
スマホの画面を見ながらそう答えると、奏多君もスケジュールを確認するように視線を落とす。

「俺は木曜日早く上がれる。金曜は夕方フライトだけど……。食事に行かないか? いつも食事を作ってくれてありがたいけど、たまにはいいだろ?」
思いがけない誘いに、胸がふわりと温かくなる。

「次の日仕事でしょう? 大丈夫?」
自然と笑顔になりながら返事をすると、奏多君も口角を上げた。

「午前中はデスク仕事だし大丈夫。じゃあ、望海の終わる時間に合わせて、俺も上がるようにするな」

そう言いながらスマホを操作する彼を見つめながら、"一緒に食事に行く"――ただそれだけのことなのに、こんなにもうれしくなる自分に、これ以上好きになりたくないのにな。その思いも沸き上がった。

約束の木曜日。仕事を終え、ロッカールームで軽く身支度を整えた後、私はさりげなく職場を出た。

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