年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない
カウンターの上には、六月のこの時期らしい涼やかな料理が並んでいる。

女将さんの声を聞きながら、おしぼりで手を拭き、目の前の料理に視線を落とす。
ここはどんな料理も美味しく、特にお酒に合わせた季節の小鉢は絶品だ。

「どうしようかな……」

そう呟いた瞬間、カウンターの奥から料理長がのれんから顔を出した。

「今日のおすすめは、鱧(はも)の湯引きだな。梅肉を添えてさっぱりと。それと、旬の水茄子を使った浅漬けもうまい。冷やした胡麻豆腐もいいぞ。あと、ホタルイカの酢味噌和えも人気だ」

どれも素材の味を活かした料理ばかりだろうし、料理長が丁寧に手をかけたものなら、食べる前から美味しいことは決まっている。

「じゃあ……鱧と胡麻豆腐をお願いします。それと、日本酒を少し」

少し悩みながら、女将さんと大将に注文をする。

「ちょうど良い冷やのお酒があるわ」

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