練習しよっか ―キミとは演技じゃいられない―


練習するシーンは
いよいよベッドの上

 

もちろん服は着たまま
でも位置は実際の撮影に合わせた体勢で確認していく

 

ソファからベッドへ移動して
ゆっくり向かい合う形で座った



涼真くんのセリフが静かに始まる

 

『…ごめん…もう我慢できない』

 

私も台本の流れに合わせて
ぎこちなくセリフを繋げる

 

『……うん。いいの、私も…ずっと…』

 

練習とは思えないほど
距離がじわじわ詰まっていく

 

涼真くんがゆっくりと手を伸ばして
私の頬に触れる

 

指先で優しく髪を耳にかけて
そのまま頬を撫でる

 

___呼吸が浅くなっていく

 

そのままゆっくりとベッドに倒される形になる

 

私の背中がベッドに沈み込み
涼真くんがゆっくり身体を重ねてきた

 

もちろん体重はほとんどかけてない
__けど

腕で支えながら私を覆いかぶさる位置にくると
体温と距離が一気に襲ってくる

 

"ここから、自然にキス入るぞ?"

 

「……うん」

 

涼真くんの顔が
ゆっくりと近づいてくる

 

私の呼吸が止まりそうになる

 

けれど唇はギリギリ触れずに止まる

 

そのまま耳元で小さく囁く

 

“力入りすぎ。呼吸止めんな"
 

「……うん…」

 

涼真くんは軽く私の髪を撫でながら
もう一度ゆっくりと顔を寄せた

 

今度は額にそっとキスを落とす

 

額への柔らかいキスから
ゆっくりと頬、そして耳の後ろへ

 

柔らかく肌を滑らせる唇の感触に
全身が熱くなっていく

 

耳元でさらに小声で囁く

 

“こういう時、役でもリアルでも…相手の反応ちゃんと拾えよ?”

 

ドクン、ドクン――

 

練習とは思えないほど…

全身が反応してた


 

 

涼真くんは片手を私の腰にまわし
もう片方でゆっくり手をスライドさせて

鎖骨のラインをなぞる

 

服越しとはいえ

その指の動きが妙にリアルすぎて

 

息が小さく震えて漏れた

 

「っん……」

 

 

そのまま涼真くんはゆっくりと私の耳元に再び口を寄せる

 

“大丈夫か? もう本番、これよりもっと近くなるからな”

 

「……だ、だいじょうぶ…」

 

けど心臓は完全に崩壊寸前だった

 

 

そして、次の台本のセリフが来た

 

涼真くんが低く柔らかく囁くように台詞を乗せる

 

『おいで もっと近くで感じたい』

 

その言葉の直後__

さらに身体が沈み込むように近づいてくる

 

私の唇のすぐ上

ほんの数ミリまで接近してきた

 

 

触れそうで触れない
絶妙な距離

 

息が混じり合うだけで
身体の奥がどんどん熱くなっていく

 

手はしっかり腰にまわされて
逃げ場もない

 

唇が触れるか触れないかの位置で
ピタリと止めたまま

 

“ほんとに…ここまで大丈夫?”

 

耳元でまた囁く涼真くんの声が
柔らかく、でも少しだけ掠れてた

 

私は目を閉じたまま
小さく頷く

 

「……だいじょうぶ…」
私がそう答えた直後



 

涼真くんの手が
そっと私の頬をなぞりながらゆっくり髪を耳にかける

 

その指先が耳に軽く触れるたび
体がピクリと反応してしまう

 

“自然に…もっと委ねていい”

 

小声のアドバイスが耳元に落ちた

 

「……ん…」

 

そして――

 

手がゆっくりと服の裾へと滑り込み
腹部を優しく撫で上げた

 

指先が腰骨をなぞりながら
ゆっくりと肋骨の下まで進んでいく

 

身体が反射的に小さく震えた

 

「っっ!…」

 

息が詰まりそうになる

 

それでも彼は柔らかい声で続けた

 

“大丈夫、ちゃんと俺がリードしてるから”

 

 

そのまま鎖骨の下まで指が進み
ふと手の動きが止まった

 

涼真くんの目がゆっくり私を見下ろす

 

少し息を飲んだ自分に気付きながら



…私はぽつりと本音を落とした

 

「……りょうま…くん…」

 

「……ん?」

 

「……本番みたいに、全部……してみたい…」

 

…その言葉を口にした瞬間


自分でも信じられないくらい心臓が跳ねた

 

一瞬
涼真くんの呼吸が止まる

 

目がわずかに揺れ
静かな沈黙が流れる

 

けれど

 

「……マジで…言ってる?」

 


掠れた声でそう呟いたあと
ゆっくりと優しく息を吐いた

 

「……わかった」

 

低く、静かに
でもほんの少し震えた声だった

 

 

そこからの涼真くんは
まるでスイッチが切り替わったみたいに

急に大人の男の空気を纏い始めた

 

指先がふわっと鎖骨からさらに滑り
胸元のラインをなぞり始める

 

「ん…っ」

 

柔らかく声が漏れるたびに
手がわずかに強く優しく撫でてくる

 

そのまま
ゆっくりと服のボタンに手を伸ばしてきた

 

一つ目のボタンが静かに外される

 

「……大丈夫?」

 

囁く声が掠れながらも優しい

 

「……うん…」

 

私は自然に目を閉じたまま頷いてた

 

二つ目、三つ目――
ゆっくりと服の隙間が開いていく

 

柔らかい空気のまま
肌に直接触れる指先の温度が熱く感じた


 

そして
涼真くんの唇が鎖骨のラインにゆっくり降りてきた

 

優しく撫でるように
肌の上を滑らせるキス

 

「ん…」

 

自然と息が漏れるたび
体の奥までゾクゾクと痺れていく

 

腕がゆっくりと背中に回され
しっかり抱き寄せられる

 

身体と身体がぴったりと重なった

 

心臓の音が
ふたりの間に響いてる気がした

 

"……これが本番だったら…完璧だな"

 

耳元で甘く囁かれたその言葉に
完全に身体が反応してた

 

もう演技なのか
自分の気持ちなのか
わからなくなっていく――

 

私が小さく頷いた瞬間、涼真くんの指が腰を撫で上げてくる

 

服の裾にゆっくり手を入れて腹部を撫でながら
柔らかく囁く

 

“息止めんな、自然に。今はお互い求めてる役なんだから”

 

「…う…ん…」

 

声が漏れるたびに
涼真くんの指がゆっくり上がってくる

 

胸元の下を優しくなぞると
呼吸が震えてきた

 

 


『もう、我慢できない』

 

『…っ…私も…早く…触れてほしい…』
 

 

そのセリフに合わせて
涼真くんの手が胸を包む

 

服越しに柔らかく揉まれ、形をなぞられる

 

「んっ…ぁ!」

 

自然と甘い声が漏れる

 

涼真くんの親指がゆっくり乳首を撫でると

身体がピクリと跳ねる

 

 

“いい、役の中だから。感じてていい”

 

「……ぁ…んっ!…」

 

 

涼真くんの唇が鎖骨から胸元までゆっくり降りる

 

胸の膨らみを軽く口で包み込み
柔らかく吸い上げる

 

「ん…あぁ っ…」

 

息が詰まる

 

服の隙間から指が入り
ゆっくりとブラがずらされる

 

「……ほんとに…外すぞ?」

 

「……うん…」

 

ホックが外れ、胸元が露わになる

 

柔らかく揉みながら乳首を舌先で転がして吸われるたび
体が反射的に反応してしまう

 

「んんっ…あぁ…」

 

脚が自然に閉じられても
涼真くんが優しく太ももを撫で広げる

 

 



『いい……全部預けて。離さないから…』

 

『……うん…全部、お願い…』

 

 

スカートのファスナーをゆっくり下ろされ
ショーツの上から優しく撫でられる

 

その上を指でなぞるたび
息が何度も跳ねる

 

「んぁ…んっ…」

 

すぐ耳元で囁く声が落ちる

 

“自然に声出していい…今は役の中だろ?”

 

「……ん…はぁ…そのまま…指も…」

 

一瞬涼真くんの手が止まった

でもすぐに指先がショーツの中に忍び込む

 

優しく、でもしっかりと
柔らかく撫でられると、身体の奥が痺れていく

 

「ん…や、あ…ぁ…」

 

濡れていく音が空気の中に混ざり始めた

 

 

涼真くんは静かに息を吐きながら


…ゆっくり私の脚を広げていく

 

__指をゆっくり入れてきた

 

「ん…あっ!…」

 

身体が強張りながらも
熱く痺れていく

 

指がゆっくりと出入りを繰り返すたびに
喉の奥から声が漏れて止まらない

 

 


『……もう…奥まで欲しい?』

 

『……ぅん…入れて…お願い…』

 

 

涼真くんの呼吸も荒くなっていく

「涼真くん…そのまま…挿れ…て?」



__もちろん本番にはない

でも気づいたら


涼真くんにねだってしまった


“…まぢで無理すんなよ…痛かったらすぐ言え”

 

その言葉と同時に


___さらに深く挿し入れてきた

 

「んっ…ああ…ぁ…!」

 

中をゆっくりかき回すように動かされる

 

奥まで届くたびに

甘く痺れる感覚が身体中に広がる

 

「んんっ…や…もぅ…ああっ…」

 

だんだん腰が浮いてきて

涼真くんにしっかり支えられる

 

もうまともに声も抑えられなくなっていた
 

 



『ん?…もう…イきそう?』

 

『……ぅ…ん…だ…めっ…イきそう…っんん』

 

 

指の動きがさらに深く、速く
優しく激しく掻き混ぜる

 

「んっ…んん…! あ…ぁあっ…!」

 

最後の一突きで
身体がビクンと大きく跳ねた

 

「ぁ!…っイ…くっ…!」

 





そのまましばらく


全身が痺れるみたいに震えていた…

 

 

涼真くんはゆっくりと私を抱きしめ直して
背中を撫でてくれる

 

…呼吸だけがお互い乱れて混ざり合っていた

 

「…ははっ…これ、練習の域超えてんだろ…もう」

 



かすれた彼の声に

私も何も返せず、ただ肩に顔を埋めてた

 

しばらく
涼真くんの腕の中で小さく震えたまま呼吸を整えてた

 


耳元にかかる彼の乱れた息遣いが
まだ肌に残ってる感覚と重なって

胸の奥が熱いままだった

 

やがて涼真くんが小さく息を吐きながら囁いた

 

「……ごめん…奈々」

 

私は顔を少し上げた

 

「…どうして…?」

 

涼真くんは苦笑いしながら
少しかすれた声で続けた

 

「……マジで……しちゃったから」

 

その一言に
私の胸がまたドクンと跳ねた

 

でも――
私はすぐに小さく首を振った

 

「……ううん…わたしが頼んだことだから」

 

涼真くんが少し目を細める

 

私は彼の胸に顔をうずめながら
ゆっくり言葉を重ねた

 

「……涼真くんだったから…私も、そのままで…
よかった、って思ってる」

 

涼真くんが静かに息を飲んだ気配がした

 

そして
そっと私の頭を撫でながら、ふわっと笑った

 

「……そっか」

 

「……うん」

 

お互い
顔を見合わせるのが少し恥ずかしくて
でもあたたかく甘い沈黙が流れた

 

涼真くんの手がゆっくり私の髪を撫でながら
低く優しく囁く

 

「……ちゃんと本番、これ以上に仕上げろよな」

 

「……うん」

 

そのまま、しばらく静かに抱き合ってた

 

心臓のドキドキは
役でも仕事でもない
ただ涼真くんに向いていた

 

 
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