スターリーキューピッド
「ん? 何か?」


しまった。気づかれた。


「……なんで、嘘ついたの?」

「嘘?」

「水星から来たって嘘。宇宙人でもなんでもなかったじゃない」


ガン見していたと悟られないよう、早口で言い返し、睨みつける。

地球も宇宙の中の1つだから、よそから見たら私たちも宇宙人なんだろうけど。

そもそも、そんな嘘を真に受ける人のほうが珍しいんだろうけど……!


「仮にもクラスメイトになるかもしれない相手なんだよ? どうしてああ言ったの?」

「星に興味があると思ったから。持ち物も星座モチーフが多かったし、そのストラップだって」


彼の視線が、椅子の上のリュックサックに向けられた。

表は蟹のイラスト、裏は蟹座のマークが描かれている星型ストラップ。

小学校の卒業祝いで、プラネタリウムに行った時に買ってもらったものだ。


「驚かせたことは謝るよ。ごめん。でも、育ちは海外で故郷は水星だから。1度星に戻った後にこっちに来たから、嘘ではないよ」

「……証拠は?」
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