スターリーキューピッド
名前が出た途端、顔がしかめっ面に。

嫌なら断ればいいじゃんって話だけど、連絡先交換してないから、仲介役は避けられないんだよね。


「いつ?」

「今月の第4日曜日。午後からの予定だけど」

「あー、その日は無理。明吾と賢多と映画に行くから。ごめんね四居さん」


申し訳なさそうに手を合わせた友清くん。

眉尻は下がっているが、口角は上がっていて。「よっしゃラッキー♪」と喜ぶ心の声が聞こえてくる。

また誘いが来ることを予想して、あえて入れたんだろうな。


「詳しい場所とか時間は、整二経由で知らせるから」

「わかりました。友清くん、また、よろしくお願いします」

「いえいえ。気になることがあったらなんでも聞いてね〜」


今日1のニッコニコ笑顔。語尾まで弾んでて、もはや隠す気ゼロ。ドンピシャで当たって良かったね。

機嫌を直した彼に心の中で語りかけ、トレーニングを再開したのだった。
< 86 / 136 >

この作品をシェア

pagetop