転生モブ令嬢は、死ぬ予定でした 王太子から溺愛されるなんて、誰か嘘だと言って!
 問題は、ユキリの隣に別クラスのマイセルとユイガがいることだ。

「君を守るために、決まっているじゃないか」

 キラキラと光り輝く王子様スマイルを披露した王太子と――。

「姉さんの危機を未然に防ぐのは、こいつの護衛と同じくらい大事だ。当然だろ」

 当然のように語る弟の姿を目にして、ユキリは何も言えなくなってしまった。

(ただでさえ、3人が横並びに並んで歩くのって迷惑なのに……。5人はさすがに、まずいんじゃ……?)

 すれ違う生徒達が何事かとこちらに向ける視線に、いたたまれなさを感じながら。
 ユキリは引き攣った笑みを浮かべてじっと耐える。

「ロンドだけに任せておくのは、不安だからな……」
「おう。オレはティナしか守るつもりはねぇし」
「駄目だよ! ユキリちゃんのことも、ちゃんと守って!」
「へいへ……」

 おざなりなロンドの言葉は、不自然に途切れる。
 何かを察知した彼が、足を止めて上を向いたからだ。

(なんだろ?)

 それに釣られて、全員が同じ方向を見つめるとーーそこには、ある異変が起きていた。

(ええ……!?)
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