転生モブ令嬢は、死ぬ予定でした 王太子から溺愛されるなんて、誰か嘘だと言って!
『生きててよかった……! ロンティナ、最高……!』

 素早くスマートフォンの画面に指を走らせ、語尾に大量の涙を流した絵文字をつけて投稿する。

「はぁ……。こんなの、魂がいくつあっても足りないよ……っ。私1人で、この続きを見られるかなぁ……?」

 歓喜と不安が交互に入り混じり、情緒不安定なせいか。
 どうしても独り言が多くなってしまう。

(これも、1人暮らしの特権だよね……!)

 実家暮らしであれば、同居人からクレームが来ていたかもしれない。

(独身でよかった……! 私の人生は、これからもロンティナだけに捧げるからね……!)

 そう決意すると、再びコントローラーを手にとってテレビの画面と向き合うが――そこで、ある異変が起きた。

「え? 何――」

 ――ドカン、と。
 耳をつんざくような爆発音が聞こえてきたかと思えば、視界が真っ白に染まり――浅倉雪莉としての人生を終えた。
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