家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
エミリアから舞踏会のお知らせが届いたのは、それからちょうど二週間後だった。

綺麗な封蝋が押された手紙を開いた瞬間、胸の奥がふわりと高鳴った。

「舞踏会……」

呟いた自分の声が、少し震えていた。

久しぶりに皆と会えるかもしれない——そんな期待が、心を弾ませた。

私は早速、舞踏会に着ていく服を選びはじめた。

クローゼットの中には、以前母と選んだドレスもあったけれど、今の私には少しだけ幼い気がした。

グレイバーン伯爵夫人として、相応しい装いをしなければならない。

マリーナと相談しながら、淡いブルーのシルクのドレスを選んだ。

刺繍のラインが優雅で、胸元のレースが上品に揺れる。

「似合ってますよ」と微笑むマリーナに、私も自然と頬が緩んだ。

舞踏会という華やかな世界も、友人との再会も、何もかもが今は楽しく思えた。

私は今、幸せになろうとしている。そう思った。
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