家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
「私、本当に、公爵夫人の中でもやっていけそうかしら……」

不安を隠しきれずに口に出すと、エミリアは少しだけ笑みを深めた。

「ええ、やっていけるわよ。だってあなた、元は由緒正しき公爵令嬢でしょう?」

その言葉には嫌味も奢りもなく、ただ事実として、私を支えるような優しさがあった。

「そう……ありがとう。」

胸の奥がじんわりと熱くなる。

エミリアが友人で、本当に良かった。

心からそう思った。

「次の舞踏会、いつあるのかしら。」

勇気を出して聞いてみた私に、エミリアはふっと瞳を輝かせた。

「任せてちょうだい。あなたにぴったりの舞踏会、招待状が届くように手配しておくわ。」

その自信満々な笑顔に、私は思わず笑ってしまった。

こんなふうに、心から笑ったのは、いつぶりだろうか。

少しずつだけれど、新しい私がここで育っていく気がした。
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