突然、課長と秘密の関係になりました
「課長、お金持ちなのに、お得情報につられないでくださいよ。
 あと、私、そんなに声大きくないですからね」

「だが、お前の声はよく耳に入ってくるんだ。

 そういえば、入社試験のとき。
 『南一彩』『はいっ』て返事が通りかかったときもよく響いてた」

「なんか兄妹だからこそ聞き分けられる周波数とかあるんですかね?」

「どんな周波数だ……」

「まあ、ともかく。
 みんな兄弟だろうとそうじゃなかろうと、今、家族であることには違いないですし。

 みんなで楽しく暮らせればいいじゃないですか。

 ですから、私は、もう考えないことにします」

 そこそこいいことを言ったと思ったのに、彰宏はちょっと黙って、

「……そうか」
と浮かない顔で言ってきた。




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