突然、課長と秘密の関係になりました
 


 彰宏は重役室の並ぶフロアに行くと、通りかかった女性秘書と話していた。

 スラッとして仕事のできそうな、如何にも、秘書、と言った感じの女性だ。

 綺麗な人だなあ、と思いながら、一彩が見ていると、彼女はすぐに、

「どうぞ」
と微笑み、二人を専務室へと案内した。

「専務、鴻上様です」
とノックした彼女が言うと、入れ、とよく通る声がする。

 彰宏はガチャッとドアを開けた瞬間、

一征(かずゆき)、印刷させてくれ。
 あるいは、モバイルプリンター借してくれ」
と言う。

 窓際にある重厚なデスクには若い男が座っていた。

 鼻筋の通った整った顔の彼は溜息をつき、
「ほんとにお前は唐突だな。
 そこのプリンター使えよ」
と言う。
< 168 / 295 >

この作品をシェア

pagetop