突然、課長と秘密の関係になりました
 


 月曜日。

「お疲れ様です~」
と廊下を歩きながら、にこやかに挨拶していた一彩だったが、突き当たり近くに、偉くスタイルのいい人が立っているのに気がついた。

 ビジネス関係の商品のパンフレットによく、いや、会社にこんな人いないよ、という感じの人が颯爽と仕事している写真が載ってるんだが。

 なんかあれみたいだな。

 そう思ったとき、そのパンフレットみたいな男、彰宏が口を開いた。

「……くだらない話をしてもいいか」

 しちゃだめだと言ったのはあなたですよ……。

「今までお前のことを小生意気な部下だとしか思ってなかったんだが。

 最近、なにをしていてもお前のことを思い出す。

 これは――

 もしや、恋なのか?」

 言ってる本人がものすごく不快そうな時点で恋ではないと思いますね……。
< 17 / 295 >

この作品をシェア

pagetop