突然、課長と秘密の関係になりました
 そういえば、この会社には何度か来たが、専務にお会いするのは初めてだ。

 っていうか、美女とか気を使っていただいて申し訳ない、
と思いながら、一彩は、彰宏の紹介を待って頭を下げようとしたが――。

「お前の妹だ」
と彰宏は言う。

「また増えたのかっ」
と叫ぶ一征に、彰宏は、

「……お前、華麗なる一族とやらの取材の話来たか」
と訊いていた。

「来た」

「やはり、お前を組み込むつもりだったんだな、最初から」

 あ~、この人がこの間言ってた華麗なる兄弟。

 この人も、私のお兄さんになるのかあ。

 ……この人と血がつながってるかは知らないけど、と思いながら、

「一彩です」
と頭を下げる。

 あと、何処にどんだけ潜んでるんだ、私の兄弟、と思いながら。
< 170 / 295 >

この作品をシェア

pagetop