突然、課長と秘密の関係になりました
「俺が受け取って送っといてやるから帰れ」

「えっ?
 課長にそんなことしていただくとか、申し訳ないですっ」

 そう断ったのだが、彰宏は溜息をつき、
「いや、ほんとうにいい。
 俺は今日ちょっと帰りたくないから」
と子どものようなことを言う。

 いや、家に帰りたくない旦那か。

 でも、独身だよね? 課長、と思ったが、彰宏は、

「いいから帰れ」
と一彩の席までやって来て、退け、と一彩を手で払う。

 椅子に座りると、一彩の代わりにノートパソコンの画面を見る。

 支社から送られてくるのを待っている画面だ。

「じゃ、じゃあ、すみません。
 あ、これを」
と一彩は引き出しの中から、個包装のチョコを二、三個出して、彰宏の前に置いた。

「なんだ、これは」
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