突然、課長と秘密の関係になりました
 


 土曜日。
 一彩たちは引っ越しをしていた。

 向こうの家はそのままにしていていいので、とりあえず、いるものだけ持っての引っ越しだ。

 それでも、二人でダンボール十箱はあった。

 ほぼ服なので軽い。
 本はとりあえず、今読みたいものだけ詰めておいた。

「数も少ないし、バケツリレーで行くか」
と彰宏が言い、駐車場から二階まで、みんなで運んだ。

 車から朱鷺子がダンボールを持ってきて、はい、と一彩に渡し、

「はい」
と一彩が彰宏に渡すと、彰宏が階段を上ってくれ、二階にいる昴に渡す。

 課長が一番大変だな。
 申し訳ない。

 私たちの荷物なのに、と思いながら、
「はい」
と渡され、はい、と階段下の彰宏に渡す。
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