推しにガチ恋ってアリですか⁉︎



「十六夜天梨……いつか出てくるとは思ってたけど、まさか高峰くんのことを好きなんて」

「いや、その話男子の間じゃ有名だよ。俺の先輩も『好きな人がいる』って言われたらしいし」

「……瑠亜はそれでもアイツの事を慕うのか」

「も、もちろん……!推しは恋愛対象とは別、だし、」



あれ?

なんか今、心がギュッて萎んだような感じがして……。



「大丈夫よ瑠亜!高峰くんは瑠亜のことを……」

「樋泉?」

「な、なんでもないわ……」



何かをフォローしかけた樋泉を睨んで止めた秀馬くん。

野柳くんに笑顔で「涼香を泣かせたら許さないよ」と言われている。



「うん、大丈夫だよね」

「?」

「高峰くんは、推しだもん」

「瑠亜、」



自分に言い聞かせるかのように、私はそう呟いて笑顔を作った。

そんな私に、涼香はどこか切ない顔をしていたんだ。


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