推しにガチ恋ってアリですか⁉︎
私は早口で感謝を述べ、玄関に置いてあった制服が入った袋とリュックを持って高峰くんの家を飛び出した。
雨はやんでいて、少し肌寒い空気の中知らない道を駆け抜けていると見覚えのある道に出て安堵する。
こここっ、鼓動が……っ。
走ったのもあると思うけど、信じられないくらいドクドクいってる!
深呼吸して気持ちを落ち着かせていると、服からフワリと高峰くんの匂いがした。
ドドドドドドドド。
あああ鼓動が〜〜〜っ!
この服は危険だ!いろいろ殺しにきてる!
というか、高峰くんの家に上がったとか考えると冷静になんていられるわけがなくて。
「……っ、わぁぁぁぁぁ」
頭を振って、それでもおさまらない熱に悶えながら家のドアを開けた。