推しにガチ恋ってアリですか⁉︎





「「「「「きゃあああああああ⁉︎」」」」」



校門を通ると一斉に上がった悲鳴。

それは黄色いものだけではなく、断末魔のような叫びも含まれていた。

その理由は……



「た、高峰くん……っ、手、離そ?」

「だーめ」



ずっと繋がれたままの右手にありました。

うぅ……恥ずかしさで死にそう!



「高峰くん、十六夜天梨と別れたの⁉︎」

「いや、あの噂デマだったらしいよ……!」

「それで、彼女が花野井瑠亜……?」



至る所で騒ぎが起こっている。

ていうかなぜみなさん私の名前を知っていらっしゃる?



「……でも、なんか納得」

「ね、花野井さん思ってたより可愛いし!」

「こっちの美男美女の組み合わせもアリかも」



それでも、あまりやっかむ人はいなさそうだった。



「……瑠亜は嫌だった?」

「へ?」

「秘密にしときたかったら、ごめん」

「や……!あの、えと、大丈夫……!恥ずかしいけど、私だって世界中にこんなかっこよくて完璧で優しい人が彼氏なんだって叫びたいくらいだしっ」

「……ふはっ、どんだけ俺のこと好きなの」

「なっ……!」

「「「「「×♪$〆:+|#%○→☆⁉︎」」」」」



高峰くんが笑った瞬間、声にならない悲鳴をあげて一部の女子が卒倒する始末。



「高峰くんって……あんな風に笑ってたっけ⁉︎」

「あんな笑顔を出せるなんて、花野井さんすごい……!」


< 207 / 211 >

この作品をシェア

pagetop