推しにガチ恋ってアリですか⁉︎
『次は、C組によるムカデ競争です!』
「瑠亜、がんばろうね」
「うん!涼香大好きぃ」
「ちょっと、それ今言うことじゃないでしょ」
全員の足を紐で結んで、スタート位置に立って。
「スタート!」
みんな一斉に駆け出す。
うぅ、緊張する〜!
転んだらどうしようとか、負けたらどうしようとか、不安しか出てこない。
思わず秀馬くんの体育着の裾を掴む手に力を入れると。
──ギュッ。
「⁉︎ しゅ、秀馬くん……?」
私の右手が、秀馬くんの手に握られた。
思わず裾を離してしまい、手を繋ぐ形に。
「……大丈夫だから。落ち着け」
驚いて秀馬くんの頭を見つめていると、そう小さな声で返ってきたのが聞こえた。
……秀馬くんの手、あったかい。
なんだか緊張がほぐれていくのを感じた。
「ありがと、秀馬くん!」
嬉しすぎて、左手を秀馬くんの腰に回すと。
「!ばか、離せって……!」
「なんで⁉︎」
少し体がビクリとしていた。
……やっぱビビり〜。