推しにガチ恋ってアリですか⁉︎



「……っ、!」


頭には茶色の猫耳、ポニーテールには黄色のリボン、プリーツスカートを履いてポンポンを持ち、いかにもチアという感じの服を体操着の上に着た──


瑠亜が、いた。


「が、がんばれ……っ!」


……おい、天使かよ。


その時、足にさらに力が乗って。
信じられないほど速く、俺は駆け出した。



原動力ってすげーな、侮れないな。


似合いすぎなんだよ、衣装。
かわいすぎなんだよ、声。
見せたくないんだよ、誰にも。


そろそろ男から視線向けられてんの、自覚しろよ。


気づいたら前には人がいなくて。
白いゴールテープを切っていたのは俺で。


『1位はなんと……D組です!』

「きゃーっ」

「高峰くんかっこいいーっ!」


そんな声を気にも止めず、俺はまた走り出した。




琳斗 side end
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