推しにガチ恋ってアリですか⁉︎

私も待ちきれずに口に入れる。

クラッカーのパリパリと、とろけたマシュマロとチョコレートがマッチして……。



「ん〜っ、おいしいっ……！」

「瑠亜、口の横。ついてる」

「む……？どこ？」

「はぁ、しょうがねーな。じっとしてろ」



そう言うと、不意に秀馬くんが顔を近づけてきて。

私の頭に手を添えると、


──ペロ……。


「っ⁉︎⁉︎ ななな、何して……」

「忘れてた？言っただろ、覚悟しろって。
俺、なんとしてでもクリアしたい目標あるから」



ペロッと舌を出しながら、「甘っ」と呟く秀馬くん。

いや、その目標を達成するためにこんなことする必要あるの⁉︎


顔に熱が集まるのを感じた。



「あっ……熱い、ね！
ちょっと火に近づき過ぎたみた……」



そう言って笑顔を作り、手でパタパタと顔を仰ぎながら顔を上げた私は、思わず固まった。



──いつのまにかこっちをジッと見ていた高峰くんの背後に……



黒いオーラが漂っていた。