推しにガチ恋ってアリですか⁉︎
『推し』による甘い追及
「きゃっ、高峰くん!」
「今日も変わらずイケメン……朝から眼福……」
毎朝のように廊下が騒がしい。
なぜかって、言わなくても分かると思うけど。
「瑠亜も見てきたら?」
「……あ、いや、えと……」
私の推しでもある、高峰くんが登校しているから。
廊下に視線を送ると、もう既に女の子でいっぱい。
いつもなら私もすぐあの中に混ざる。
「あれ、花野井乗り気じゃないの?珍しい」
「珍しいというか、初めてじゃない?
あの瑠亜が推しを出迎える気がないなんて、明日雪でも降るわよ」
「どうしたの?さすがに気まずくなった?」
毎朝私も廊下で眺めている。
でも最近は、いっぱいいる女の子に目もくれず私に近寄り「おはよう」と私だけに言うようになった彼。
その度に突き刺さる女の子の視線は苦しい。
それもあるんだけど……。