一番星は君ひとりだけ
「おやすみ」
そう言って、彼女は布団を頭まで被ってしまう。
添い寝弱はできたか…腕枕はできなさそうだな。
ウトウトし始めた頃、才菜が布団を出る。
なんだろう?と思って目で追っていると、寝室を出ていった。寝たフリをしながら音で様子を伺っていると、キッチンでお茶を注いで、リュックサックの中から何かを取り出していた。
リュックサックは寝室にある。俺は起き上がった。
「何してるの…?」
リュックサックの中から出していたのは、20種類いかないくらいの錠剤だった。
才菜は、げっ!という顔をした。
「寝てたんじゃないの?」
「ウトウトしてたけど…」
「寝ててよ」
立ち上がって近付くと、錠剤を手で隠す。
「やめて」
「なんで隠すの?」
「見られたくない…」
少し泣きそうになっていた。 彼女の近くにしゃがみこむ。
「才菜。才菜のこと、ちゃんと全部知りたい。教えて」
「…精神科の薬。こんなに飲んでるの。うつ病、あと不眠症。夕飯の後、目の前で飲むの嫌だったから…」
「こんなんで引くと思った?」
「…」
「ちゃんと飲まなきゃダメだよ。ね?これからは俺の前でも飲んでね」
「うん」