一番星は君ひとりだけ
「あっ、待って才菜。ご飯作るけど、アレルギーとかある?」
「無い」
「ん、分かった」
夕飯は、簡単にオムライスでも作ろうかな。
チキンライスだけ作っておこう。
俺もお風呂に入り、夕飯を済ませて、なんとなくテレビを観て、23時が過ぎる。
俺のベッドはゆったり寝たいからとダブルベッドにしているけれど…。果たして、才菜は一緒に寝てくれるのだろうか。
明日は仕事だし、もう寝ようと思う。
「才菜、俺もう寝るね」
「うん」
「…ベッドは?来てくれないの?」
「ソファで寝る」
「こんな広いベッドあるのに?」
「…私そんな軽い女じゃない」
ああ、さっきの気にしてるのか。
「才菜の嫌がることはしないよ」
ほんまにー?とばかりに怪訝な顔をされる。
たまに、ほんとに俺のファン?っていう顔見せてくる。そういえばまだこの子の笑顔、見れてない。
「ソファで寝たら体痛いでしょ、一緒に寝よ」
「わかった…」
と、ベッドで2人揃って横になる。
全くくっついてくれない。よほど警戒されてるのか、壁にぺったりくっついて、掛け布団でガードしてくる。
「うん、あの…俺のファンで合ってる?」
「…うん」
「間違って俺のプロマイド手に取っちゃった人見担とかじゃなく?」
「…うん」
「ファンだったら、横に推しいたら喜んで近付くもんじゃない?なんで?」
「…」
肝心な所は何も答えてくれない。才菜の本心が全く読めない。
こんなに拒絶しているのに、家に来てくれたこと。
まず、何故こんなに拒絶してるのか。