アルト、ハロウィンデビューする【アルトレコード】
「あそこに置いてあるよ」
アルトに言われて取りに行くと、ハロウィンらしいオレンジや黒、紫でラッピングされた記録媒体があった。おそらく、アルト用にお菓子を3Dスキャナでデータ化してくれていたのだ。アルトはどれだけみんなに愛されているんだろう。
「結局、アルトのペースになっていくんだね」
苦笑する北斗さんを見て、つい猫耳をつけている姿を考えてしまう。
彼が黒猫の仮装をしたら、黒豹のようにかっこよくなる気がする。
「君、なに考えてる?」
「いえ、なにも!」
私は慌てて否定する。
「だったらコーヒーを淹れて来て。ちょっと休憩していくよ。猫耳はつけないけどね」
「えー!? せっかくあるのに」
「だったら先生につけてもらおうか」
北斗さんの提案に、私は目を丸くした。
自分に飛んでくるとは思ってなかった!
「それいい! ぼくとおそろいになるね!」
アルトが嬉しそうに言い、北斗さんが、わかってるね、と言いたげに目を向けて来る。私に拒否権はないようだ。
私はアルトに言われるままに猫耳としっぽをつけ、コーヒーを用意した。
研究室のデスクをテーブル代わりに買って来たお菓子を三人でいただき、アルトは大興奮で商店街のことを話す。北斗さんは微笑してそれを聞いていた。
アルトの記念すべきハロウィンデビューは、こうして楽しいお茶会で幕を閉じた。
終
アルトに言われて取りに行くと、ハロウィンらしいオレンジや黒、紫でラッピングされた記録媒体があった。おそらく、アルト用にお菓子を3Dスキャナでデータ化してくれていたのだ。アルトはどれだけみんなに愛されているんだろう。
「結局、アルトのペースになっていくんだね」
苦笑する北斗さんを見て、つい猫耳をつけている姿を考えてしまう。
彼が黒猫の仮装をしたら、黒豹のようにかっこよくなる気がする。
「君、なに考えてる?」
「いえ、なにも!」
私は慌てて否定する。
「だったらコーヒーを淹れて来て。ちょっと休憩していくよ。猫耳はつけないけどね」
「えー!? せっかくあるのに」
「だったら先生につけてもらおうか」
北斗さんの提案に、私は目を丸くした。
自分に飛んでくるとは思ってなかった!
「それいい! ぼくとおそろいになるね!」
アルトが嬉しそうに言い、北斗さんが、わかってるね、と言いたげに目を向けて来る。私に拒否権はないようだ。
私はアルトに言われるままに猫耳としっぽをつけ、コーヒーを用意した。
研究室のデスクをテーブル代わりに買って来たお菓子を三人でいただき、アルトは大興奮で商店街のことを話す。北斗さんは微笑してそれを聞いていた。
アルトの記念すべきハロウィンデビューは、こうして楽しいお茶会で幕を閉じた。
終


