放課後、先生との秘密
番外編
「はっっ!!」
目が覚めると8時5分
完全に遅刻した。
しかも今日期末テストだし。
1限目から先生のテストじゃん!!
普通に怒られそう。
終わった。
こーすけは何でこういう時に起こしてくんなわけ!?
絶対一人で先に行ったじゃん!!
あ、昨日ヒラん家に泊まるって言ってたんだ
忘れてた。
ああもう!!!勉強すらしてないし!!どうしよう。
とりあえず着替えて行かないと!!
ふと頭に「テスト期間はネクタイ、リボンちゃんとつけてくるようにー!特に坂木と板倉な!!」
と先週の担任が言っていた言葉を思い出した。
部屋を探してもリボンなんてどこにも見当たらない。
なんでテスト受けるだけなのに服装指定あるんだよ!!
時間ねぇんだわこっち!!
こーすけの部屋に入ってネクタイを探す。
気づいたら泥棒が入ったくらいにぐちゃぐちゃになってしまった。
ネクタイあったし、どうせこーすけの部屋だしいいや。
時間は8時20分
間に合うはずがない。
急ぎすぎて
スカートもいつもより短いしネクタイもまともに結べれてない。
The寝起き過ぎて逆に笑える。
自転車を爆速で走らせて学校に着いた。
と、同時にチャイムがなった。
間に合ってないけどこれ間に合ったっしょ!!
恐る恐る後ろの扉から入ろうとしたら担任に止められた。
担任「はい坂木また遅刻〜進級する気あんか?」
葵「そりぁ誰よりもありますよ〜入っていいっすか?」
担任 「お前は後ろから答え見そうだから別室で受けろ」
葵「やらねぇわ!!あたしを何だと思ってるんですか」
担任 「どうせ遅刻してくると思ったから自習室に坂木の答案用紙置いてる早く行け」
葵「酷くないですかそれ」
担任 「こんなとこで無駄話してたら0点取るぞ」
葵「はいはい」
早歩きで自習室に向かう。
話しかけてきたのそっちでしょ!!
0点とったら担任のせいにしてやる!!!!
初めてあんな長話したな。
てかネクタイつけてんの褒めろよ。
グチグチ心の中で担任の愚痴を言っていたら、自習室に着いてしまった。
葵「し、失礼します」
と言ってもこの時間に誰1人いるわけなくて、ていうか生徒が使う場所なのに、失礼しますなんて言わなくていいのに気づいた。
一恥ずかしい
目の前にある国語のテストにすぐ取り掛かった。
やばい、全くわからん。
思わず落書きを描きそうになるのを我慢し、解けるところは解いた。
残りあと15分。
寝落ちしそうなところに、突然扉が開いた。
はぁ……担任か。
と思って顔を上げずに問題を解いてるフリをした。
そしたら横に座ってきた。
反射的に横を見ると……
「よ!葵〜!!」
満面の笑みで先生がこっちを見ている
え、やばい…かっこいい……
急な出来事で、びっくりしすぎて声が出ない。
「おはようお前また遅刻したん?」
「へ、?あっうん」
「何?今更緊張してんの?」
先生が腰を突っついてくる。
それ先生じゃなかったら捕まってからね。
まぁ、そりゃかっこいいもん!!
緊張するでしょ!
オシャレな服きて高そうな指輪つけて!
どこまでかっこよくなれば済むんだよ!!!
「もう全部とけたん?」
「全くわかんないわ」
「お前昨日勉強してねぇだろ」
「ううっ…」
「図星か俺の教科なのになぁ酷いなぁ〜傷ついたなぁ〜」
そう言いながら、甘えてこようとする先生の頭を叩いた。
「痛ってぇ!」
「じゃあ答え教えてよ」
「どうせまた俺と補習受けたい癖に〜」
先生に頬を掴まれた。
先生に触れられる場所がどんどん熱くなるのが分かる。
受けたくない。といえば全然嘘。
だって補習の時間は先生のこと独り占めできるもん。
だから私は
「う、うけだいでふ……っ//」
恥ずかしさを押し殺してそう言った。
だめだ言ったあとからめっちゃくちゃ恥ずかしい!!!
先生の顔見れない!
「……いや、可愛すぎだろそれ」
「もういやぁぁ離れて!!」
「無理」
無理って言った後、先生がなにか思い出したかのように突然立ち上がってカーテンを閉め出した。
てかめっちゃ耳赤いよ先生。
先生も照れてるんだ嬉しい
「な、何してんの?」
「お前が可愛すぎるのが悪い」
「は?」
カーテンを全て閉め終えると次は部屋の鍵を閉め、先生があたしの手を引いて立たせた。
「え、ちょっと?まじでなに?」
「バレたら俺教師終わるもん」
「何言ってんの?」
一体何を考えてるか全く分からない。
「今だけ教師と生徒の関係やめよっか」
そう言って、先生があたしをゆっくりと引き寄せた。
気づけば胸の奥まで包み込まれてるみたいに、先生の腕がまわる。
もう近すぎて、何も考えられなくなった。
服越しに伝わる体温が、息苦しいほどあたたかい。
「……先生?」
「葵……好きほんとめっちゃ好き」
「んふふ私もだいすき」
「あぁまじで葵可愛い!」
「バカっ……!」
「ずっと俺のこと好きでいてな?」
「先生以外好きになれるわけないよ」
「んふふ偉いなぁ」
先生があたしの頭を撫でた。
優しく腫れ物を扱うみたいに。
「まぁ補習は無くても無理矢理させるんだけどな」
「は?それは無いでしょ」
「だって前みたいにイチャイチャしたいじゃん?」
「あと少し我慢したら毎日できるのに?」
卒業したら付き合ってくれるんだよね?
嘘じゃないよね?
「俺卒業までとか耐えらんねぇもん」
そう言って先生があたしにキスしてこようとしてきた。
「だめ!」
先生の口を手のひらで抑えた。
ぎゅーはいいとしてキスは…ダメでしょ!
そこまで許しちゃったら卒業まで我慢の意味が無くなっちゃう。
「したかったのに〜」
先生が不貞腐れながら椅子に座った。
「だって…そんなの卒業した時に……」
「卒業したらいっぱいしていいの?」
「いや……そういう訳じゃ……」
先生があたしのネクタイを引っ張ってきて、
ほんとあと数センチでキスできるくらい近ずいた。
「じゃあ卒業したら嫌って言うくらいしてやるよ」
「はっ!?//」
「愛してるよ葵」
頭を撫でられて先生の肩に顔を埋めた。
なにこれ…めっちゃドキドキする
ほんと唇当たりそうだった…
「てかこのネクタイだれの?葵ネクタイ持ってねぇよな」
先生の声が、少し低くなった。
お、怒ってる?
「こーすけの借りた」
「ふーんあっそ」
先生が私のぐちゃぐちゃになったネクタイを解いて治してくれた。
「なんか気に食わねぇ…他の男と交換してるみたいじゃん」
「ごめん…だってリボンなかったもん」
先生が完全に拗ねてる
可愛い。可愛すぎる。
あたしほんと愛されてるなって実感できてしまう。
「てか、そのスカート短すぎ」
私の太ももを触りながら言ってくる。
それもどうなのか。この変態が!
「ご、ごめんほんと時間なくて」
「他の生徒に見せびらかしてぇの?足綺麗だもんな」
「そんなんじゃないって」
先生は着崩れたスカートを治してくれながら
喋っている。こんな雰囲気なのにその状況のせいで笑いそうになる。
「見るよ男なら誰だって、葵かわいいし」
「別に可愛くないし」
「お前は可愛いよだから俺以外に、そんな姿見せんな」
低い声でそう言って、
指先でスカートの裾を軽くつまんだ。
「あぁ!もうごめん!嫉妬深すぎるよなごめん!!嫌いにならねぇよな?」
先生がいつもの調子に戻った。
でもさっきの嫉妬深い先生も嫌いじゃない。
「なるわけないよ」
「……葵のこと好きすぎて困る」
「私もさ、先生のこと好きすぎて女と喋ってたらイライラする」
「ふっ可愛いもっとしろ!!」
先生に頭をわしゃわしゃされる
これ大好き。
するとチャイムがなった。
「次のテストは教室で受けろって言ってたぞ」
「めんどくさぁ先生とまだいたかったなぁ」
「んふふじゃあ放課後図書室で待ってるわ」
「うん!マリカ!しようね!」
「ちげぇよテスト勉強だろ」
「うっっ」
私は嫌すぎて自習室から逃げ出そうとと扉まで早歩きで向かった。
「逃げて家帰んなよー!」
あ、開かない。
なんで?
先生が近ずいて来る
「お前アホだろ鍵閉めたの忘れたんか」
んふふと笑いながら最後にあたしを後ろから抱きしめた。
「そういうとこも好きだよ葵」
「私も先生だいすき」
すると先生があたしの首元に近ずいてきた。
一瞬痛みが走る
「なに、した?」
「んー?俺のもんって証拠」
「は?キスマ……?」
「うん」
「は?それやばいってばれたらどうすんの?ねぇ!!」
「見えるか見えないかのところにしたから大丈夫っしょ」
「じゃあまた図書室でな」っと言われ追い出された。
ドキドキした心を落ち着かせ、どこにつけられたかも確認せずに教室に戻るとナチに「あんたそれ!!」と指をさされてトイレに連れ込まれた。
よく見たら左の首のど真ん中にキスマがついてて、してやられたと思った。
だけどそれすらも嬉しくて。
愛されている証拠みたいで涙がでそうだった。
テストなんか早く終わらせてまた先生に会いたい。