組長様は孤独なお姫様を寵愛したい。
「じゃ、今日からお前の主人が誰かも分かるよね?」


その問いにコクっと首を縦に振る。


「ん。お利口お利口。」



絶対にお利口だなんて思っていないような口調がより怖さを増やしている。


…また私は、道具として扱われるんだ。


人の言うことを聞くことでしか行動を起こせない人形。



「…私は、何をすれば良いですか?」


「あー…お前には俺のとこが経営してる風俗かキャバで働いてもらうつもりだけど…」





そこまで言うと、男の人は視線を私の頭からつま先まで動かした。


…何だろう…?



「お前のその不健康そうな体型じゃよっぽど飢えてない限り欲情しないから、まずは "準備期間" にしよーか。」



あ…そっか。


と自分でも自分の体に視線を移してみる。

………確かにこれは酷い。こんな体の女の人に欲情する人は居ないだろうな。


少しだけ、チクリと胸が痛むのがわかった。
自分ってとことん魅力が無いんだなと。


「…分かりました。」


「ん。…それでお前の部屋だけど、もう俺の横しか空いてないからそこ使っていーよ。」


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